2017年08月21日
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今日の対談企画「僕らのビジネス」は、アメリカの「ザ・ビースト」こと、総合格闘家、プロレスラー、タレント、そして元々はアメフト選手という多彩な肩書を持つ有名なあの方、ボブ・サップさんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
ヨロシクオネガイシマス。
ボブ・サップ
元アメリカンフットボール選手、格闘家、実業家。
元NFLプレーヤーでありながら2002年に日本の格闘技界に彗星のごとく現れ、類まれなる身体能力と生まれながらのエンターテイメント性により、数多くのTV番組に出演、CMやCDデビューまでこなす国民的スターとして「ビースト旋風」を巻き起こした。総合格闘技では、2戦目にして元RINGS無差別級王者・田村潔司と対戦、1R 11秒と圧巻勝利を手にし、アテネオリンピック柔道銀メダリストのキム・ミンス相手にも勝利を収めている。また、K-1では、伝説のK-1ファイターであるアーネスト・ホーストをはじめ、シリル・アビディなどに勝利し、2003年の大晦日におこなわれた曙との試合は大きな注目を集めた。
彼の活躍は日本に留まらず、2003年にはタイム誌の表紙を飾り、米国・HBO Real Sportsの出演や国内外の有名雑誌に数多く取り上げられ、彼の“ビースト”スタイルに世界中のファンが魅了された。リングやメディアでの活躍の一方、2011年の東北大震災では被災地をサップ自らが訪れて支援物資の提供や生存者へのサポート行うなどボランティア活動にも積極的に取り組んでいる。
今でも格闘家として試合をこなしており、彼の“ビースト”ぶりは健在。よりパワーアップした“ビースト”スタイルを日本のファンに見てもらいたいとサップは意気込んでいる。
板垣 雄吾(いたがき ゆうご)
レディオブック株式会社・代表取締役社長。
個人事業主としてiPhone修理サービスを開業。TSUTAYAやブックオフコーポレーションなどと契約し、事業を拡大(TSUTAYAと契約した初の個人事業主)。2014年に法人化し、同事業をフランチャイズプログラム「i+Remaker」として全国に展開。業界最安値の修理費を実現した保証プログラム「super50」など、独自のサービスを強みに事業を拡大。
以前、PRIDE.21でボブ・サップが戦った田村潔司の弟子だった。
…あ、そうだ、もう一つのiPhoneを持ってくればよかった!バッテリ-の持ちが悪くなっているんだった。
マジですか。アイリメーカーならすぐ修理できますよ!ちなみに機種って何ですか?
iPhone6s Plusだね!そういえば、僕は「iPhone修理」ってビジネスは全然知らなかったんだけど、1日でできるものなの?
バッテリーならたった10分で直せますね。
本当に?それは早いな!今、手持ちの携帯電話がやたら増えてしまっているんだけど、南アメリカで電話を買うとGSM規格ってやつで他の国では使えないんだよね。
(※iPhone豆知識:海外製のiPhoneと日本製のiPhoneは、対応している周波数が違っているため、電波を受け取ることができず、使えないことも多いんです。)
だから僕のiPhoneは、日本用やアメリカ用など使い分けているんだよ。
そうなんですね。ちなみにそのiPhoneはもともとどちらのでしょう?
いや、グアテマラって書いてあるね!
グアテマラ?!
そう。今グアテマラでビジネスをしているんだよね。
そうだ。このiPhoneも含めて中古のiPhoneは安いだろうし、グアテマラでビジネスになるかもしれない。
本当ですか?うちの会社にはiPhoneもiPadもたくさんありますよ!やはり世界的にも需要が増えてるんですね。
ボブ・サップさんの経歴を改めて教えていただけますか?
そうだね。意外かもしれないけど、僕は最初、プロのアメリカンフットボーラーだったんだ。そこからプロレスラーとしてWCWに所属して格闘家になったのはみなさんはご存知だと思う。その後は映画に出たり、歌も歌ったりしてるよ。それと並行してビジネスもやってる。
とはいえ、今は試合にも戻っていることもあるし、傍らでファイトビジネスを始めようとも考えてるんだよね。
(「格闘家」というイメージと異なり、多彩な経歴を話すボブ・サップさん)
多彩なんですね!
他に面白い試みだと、主にタイヤとか土とか、フィルターをかけてクリーニングした雨水を使用したり、ガスを使わなくてよいようにソーラーパネルも利用した、色々なものをリサイクルして住める家をグアテマラに建てているよ。
へぇ。面白いですね。ちなみになぜグアテマラでビジネスをやろうと?
グアテマラは日本と親和性のある国だと思うし、成長を期待できる国だと考えてるんだ。貨幣価値が日本の7分の1だから、投資対象として非常に魅力的なのもあるしね。アメリカや日本も考えたけど、不動産が値上がりしすぎているからね。
ちなみに、いま僕が住んでいるところは、さっき話したみたいに雨水や太陽光を利用しているから、電気代とか水道代とかの光熱費がかからないんだ。だから月々払うものは、通信費と携帯代くらい。しかもグアテマラの年間の税金って125ドルくらいなんだ。だから日本円で年間100万円もあれば、グアテマラで暮らせるよ。
ただ僕の場合、ライオンを飼っているからそれにお金がかかるんだ。
ライオン!?え、飼ってるの?!(笑)
子ライオンと親ライオンだよ。お母さんライオンが妊娠していて産んだらその子をもらおうと思っているんだよね。動画見る?
見てみます!
(・・・・)
すごいですね。
ピューマも飼っているよ。
すごい・・・(笑)
それから、買い物はスーパーに行かずに、こういう広い市場のような場所に行くよ。10ブロックぐらいあるから迷子になるほど広いんだ。
なるほど。グアテマラは面白いところですね。
話が戻りますが、なんでそもそもNFLの選手になろうと思ったのか。なにかきっかけがあったんですか?
大学の時は、医者になりたくて卒業後はその道に進むつもりだったんだよね。大学でアメフトをやっていたんだけど、大会とかであらゆる記録を作ってしまって。だから週末に家にいると沢山のスカウトマンから連絡がきたんだ。
スカウトマンに「君は億万長者になるよ」って言われてからは、もう選択肢がない状態だったね。だって億万長者になれるって言われたらそっちを選ぶでしょ。
スカウトされたっていうよりも、そういう場所にリクルートされているような・・・なるようになっちゃっている人生(笑)
なるようになっちゃってる人生ですか(笑)
本当にその通りで、「特にこれ」を貫き通したというよりかは、環境に恵まれていて、結果がたまたまついてきた感じなんだよね。
例えばお金の話だけど、NFLでは、何試合か以上一軍に在籍した選手に対して、引退後に一生もらえる年金のようなものがあるんだ。この前ルールの変更があってから、僕ももらえるようになったみたいで。
あとハリウッドでは、役者も監督もSUGっていう労働組合に入るんだけど、そこでも映画に出ると年金がもらえるんだ。だから、アメフト・格闘技・映画界と、三回で引退を経験したような感じだね。
ほー!なるほど!格闘技も年金あるんですか?
いや、格闘技はないよ。ご存知のとおりね。
なるほど。少し話を戻しますが、「なるようになっちゃってる人生」の中でも、やりたいことはあったんですか?たとえば、格闘技をやっているときやタレントをやっているときは、別にやりたいことがあったとか?
うーんそうだね…
実は、格闘技をしてる間は、合間の時間を使って勉強していたんだ。薬学、経済学、心理学や社会学も勉強したかな。飛行機に乗っている時間が暇すぎて勉強するしかなかったからね(笑)
暇つぶしですか?
そう!
当時は飛行機の中で携帯を使っちゃいけないこともあって、機内の映画を見るか寝るかしかなかったからね。映画もほとんど見てしまったよ!
その経験は今ビジネスに活きていますか?
そうだね。若いころはビジネスをやろうと思っても知識や能力が足りなかったけど、今はその能力が備わっていると思う。
ビジネスをするのに足り得るほどの知識は身についたね。
ちなみに、今生き残っている当時のファイターたちって、たとえばヴァンダレイ・シウバなんかは政治家とほかにビジネスをしているみたいだしね。
えっ!そうなんですか?
他にもミルコ・クロコップは政治家で、エメリヤーエンコ・ヒョードルはロシアの政治顧問になっている。当時の活躍していたメンバーは何かビジネスをしていて,彼らが集まったらすごいエネルギーになるよね。
おーなるほど。
僕はグアテマラに興味を持っているけど、グアテマラには格闘技がないんだ。何もない更地の状態だからこそ、すごいチャンスがあると考えている。
(「なるようになっちゃってる」と語るが、その裏にはものすごい努力の積み重ねというのが推測できる。)
僕ももともと格闘技をやっていて、今ビジネスをやっています。ボブ・サップさんは格闘技とビジネスで共通する部分ってあると思いますか?
格闘技はかなり役立っているね。例えば、自己管理と時間の管理。これってビジネスにおいてもすごく重要でいまだに役立っているよ。
家を建てるにしても自分でスケジュール立てなきゃいけないし。実はこれからウガンダでもビジネスをする予定なんだけど、そのスケジュール管理も格闘技時代のものがとても役立っているよ。ほかにも自己規律も必要だしね。
余談になるけど、いままで僕はアメリカ、日本やヨーロッパなどの第一世界で活動してきた。これからはロシアや東欧のような第二世界、発展途上国を中心とした第三世界、最貧国である第四世界を超えて、すべての世界や分野で活躍していきたいと思っているんだ。
それの始まりとしてクロアチアでのビジネスを考えているんだけどね。グアテマラはカカオの産地でもあるから、クロアチアのチョコレート会社との繋がりになるようなビジネスを考えているよ。
クロアチアというとミルコの出身国ですね。これはミルコを通じて?
ミルコを通じてということではないけど、ミルコにとっては地元だから話は聞くだろうし、いずれ会うことにはなると思うな。
なるほど。ちなみに格闘技の話の流れついでに、僕の師匠の田村潔司さんとボブ・サップさんが試合をされてらっしゃいますね。
覚えてらっしゃいます?
覚えてるよ。
彼のローキックはアーネスト・ホーストのより痛くてびっくりしたよ!
お!そうなんですね。
ちなみに田村潔司さんに対してどういう印象を持っていらっしゃいます?
まだ彼は現役でやってるよね?
自己プロデュース能力が高くて、頭が良いと思うよ。
そうなんですね。弟子として師匠が褒められているのは嬉しいですね!
これはボボといって、僕のスペイン語の名前なんだ。スペイン語だとピエロという意味。ピエロの格好に見えるけどこれはクロアチアの民族衣装で、グアテマラではこのイメージでいこうと思っているよ。
ちなみにボボはスペイン語ではピエロだけど、九州では違う意味なんだよね。(笑)
ボボは、九州弁だと放送禁止用語ですね。昔ボボ・ブラジルって人がいたじゃないですか。あの人の名前も放送禁止だったみたいです。
そのことをボブ・サップさんは知ってるんですか?
伝えたら「いいよ、それで。なおさらいいじゃないか!」と気に入ってました。
(爆笑)
また、子猫のことを「pussy」っていうけど、ライオンも「pussy」っていうからピッタリじゃないかと思ってね。
飼っている子ライオンが大きくなっていっても「pussy」って呼ばれていると面白いよね。
人をそれで驚かしてみたい。
面白い(笑)
仕事で一番大事にしていること、信念みたいなものはあります?
遅くてもいいから動き続けることかな。僕のスケジュールって難しくてね・・・いま見せるよ。
ふむふむ
6時に起きて、食事をしてトレーニングし、その後ストレッチ。そしてソーラーパネルと電気に関わる勉強をする。
10時に軽食をとってまた10、20分ぐらいトレーニング。そこからバイオガスについての勉強。それから1、2時間ぐらい仮眠をして、軽食をとって、その後トレーニングとストレッチをして、そこから今はグアテマラの税法についての勉強をしているね。
それからまた軽食をとってスペイン語を勉強してようやく休憩。それくらいになるとだいぶ体力的に疲弊しているから身体を休めるためにストレッチを挟むようにしてる。それが終わったら、人間行動学や動物行動学を勉強して、また食べて、トレーニングするといった感じかな。トレーニングも勉強も本当は毎日辛いんだけどね。
でも、面白いこともたくさんあって、ナイフの投げ方や箸の使い方とかの練習もするし、総合格闘技の技の練習も楽しいし、学ぶこと全てが苦痛とは感じていないよ。意外なものだと昆虫を育てたり食べたりする勉強もしている。一時期はゲームにはまってたときもあったけど、そのときは起きたらすぐにゲームをしていたね。
ちなみに何のゲームですか?
一通り全部やってるよ。プレイステーションや任天堂とか。
そうなんだ!日本のゲームだと何が好きですか?
いろいろ好きだけど、「Fallout」とか「バイオハザード」とかゾンビものが特に好きだね。
一度やり始めると中毒みたいになってしまうから、どこかでコンセントを引っこ抜かないといけなかったくらい。
ゲームは大体100ドルくらいで購入するんだけど、3ヶ月ぐらいでクリアしてしまうかな。でもその間は全然お金がかからないね。ほかにすることってご飯を食べることくらいだから(笑)
暗殺系のゲームなんかだと、敵を倒すタイミングを隠れて待っているとそれだけで気付けば何時間も経ってしまうんだ。
ゲームをやっていた頃は、食事も出前ばっかりでほとんどをソファーで過ごしていたよ。あまりにも座りすぎてソファーが座ったままの形にへこんで変形してしまっていたくらいね。ゲームにはまっていて一番やばいなと思ったのは、トイレに行きたくなったときに目の前にゴミ箱を発見して、トイレに行くよりそこにした方が早いなと思い始めてしまったとき(笑)
(爆笑)
さすがにやばいからやめようってなったね。
最近のものはグラフィックもすごく向上していて、モンスターが走ってくるシーンなんかとてもリアルでしょ。それを楽しみたくて、Panasonicの200インチ、重さ1tのテレビを持っているよ。聞いたところによると、Panasonicでは世界で2番目に大きいテレビらしいんだけどね。
へぇー!すごい!一度ぜひボブ・サップさんの家に行ってみたいですね!(笑)
(ゲーマー時代の思い出を語るボブ・サップさん)
ビジネスからゲームの話までいろいろと聞くことができて楽しかったです。今日はありがとうございました。
一見格闘家として有名なボブ・サップさん、今ではグアテマラでビジネスをされているそうです。
今後、ビジネス紙での登場が増えるかも!?今後のボブ・サップさんに注目です!